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バイクのカウルは何のためにある?

カウルの役割

バイクというのは数百のパーツが寄り集まって作られている精密な機械で、それぞれのパーツが独自のなくてはならない役割を果たしています。
その中でもエンジンや車体の部分を覆っているカウルなどは、バイクの本来の機能にはあまり関係がないように感じられるパーツですが、実際には走行中の空気抵抗を減らし、快適な走行を楽しむための重要な役割を果たしています。

「カウリング」または「フェアリング」とも呼ばれるカウルは、正面から受ける風を切る効果もあるため、走行中の疲労や体温低下なども軽減してくれます。
つまり、バイクの走りそのものにはそれほど関係していないカウルですが、ライダーが心地よく安全なライディングをするためには必要不可欠なパーツということができます。

カウルの素材

カウルの素材としては、ABS樹脂の他にカーボンやFRPなどが使用されています。
ABS樹脂というのは樹脂プラスチック素材のことで、価格が安く軽量なため、多くのバイクに使用されています。
軽量でありながら物理的な衝撃に耐える力に優れており、しかも腐食性の化学物質に対しても耐性を発揮します。

カーボンはレース用バイクに使用されることの多い素材で、炭素繊維を配合したプラスチック樹脂のことです。
金属と比較するとはるかに軽いにも関わらず、金属と同等の強度があります。

FRPというのはFiber Reinforced Plastics(繊維強化プラスチック)の略で、プラスチック樹脂(不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂など)にアラミド繊維やガラス繊維などが配合されています。
コストが低く、しかもデザイン的に自由度が高いのがFRPのメリットです。
腐食しにくく長持ちするのがFRPの特徴で、錆びる心配もありません。

カウルの種類

カウルは、大きさや形状によってもいくつかの種類に分けることができます。
カウルを大きさで分けた場合には、「フルカウル」「ハーフカウル」「ビキニカウル」の3種類があります。
フルカウルというのは、エンジン部分も合わせてバイクの車体全体を覆うタイプのカウルのことです。

一方、ハーフカウルというのは、バイクの上部を覆う形状になっています。
また、ビキニカウルというのはハーフカウルよりもさらに小さく、メーターやヘッドライトの部分を保護する目的で設置されています。
これ以外にも、シートの後ろに取り付けるシートカウルやリアカウル、エンジンの下に取り付けるビキニカウルなど、さまざまな種類があります。
カウルの形状によって走りやすさが全然違ってきますので、長距離ツーリングが多いドライバーなどは一度カウルの形状や種類を見直してみるのもいいかもしれません。