エンデューロの特徴・魅力
エンデューロが、幅広いライダーの間で人気を集めているという話題を聞く機会が増えています。
このエンデューロとはバイクの車種そのものを指す言葉ではなく、バイクレースのジャンルのことです。
ですから、バイクのエンデューロと言うとこのレースに適した特徴を持つバイクのことを言います。
レースのエンデューロは山道や林道など未舗装の道を走るもので、モトクロスとよく比較されます。
基本的な部分は共通していますが、エンデューロの場合は基本的に同じ場所を周回したうえでタイムアタックの形式が採用されているのが大きな特徴です。
ただし両者の違いはそれほどなく、耐久性が重視されるモトクロスのレースでもエンデューロという名前が使われることもあります。
なお、日本国内のエンデューロのレースでは通常100～150kmほどの走行距離のものが多いのに対し、ヨーロッパでは250～300kmほどのものが主流となっています。
この点も、エンデューロとモトクロスの違いが曖昧になっている理由ともなっています。
以上のことから、バイクのエンデューロはオフロード用のバイクということになります。
山道や林道など走りにくい場所でも運転しやすいバイク、そのための技術が採用されているるバイクということになるでしょう。
エンデューロのレース・バイクが注目を集める機会が増えている理由として「初心者でも参加しやすい」「いろいろな楽しみ方ができる」点が挙げられます。
モトクロス・エンデューロともに、オフロード系のレースは危険が多そうで上級者向けではないか、と感じている方も多いかもしれません。
しかしプロのレースならともかく、一般のエンデューロではスピードはそれほど出ませんから、転倒などのミスをしてもせいぜい軽い捻挫くらいで済みます。
日常の運転では物足りなさを感じている人が、それほど危険に身を晒すことなくバイク運転のスリルを味わうことができるよい機会となっているわけです。
もうひとつの理由は、レースではあるものの、他人との比較よりも自分との勝負としての面が強い点が挙げられます。
失敗や結果がよくなかったときに何が問題だったのかを把握しやすく、次回に向けての対策をとりやすくそのためのモチベーションも維持しやすいのです。
エンデューロの代表的な車種
こうしたエンデューロの人気の高まりもあって、バイクメーカーではエンデューロ向けのモデルを製造・発売する動きも出ています。
例えばヤマハは2020年にエンデューロ用のシリーズ「YZシリーズ」の2021年モデルを発表し、いかにもヤマハらしい洗練されたデザインとさらに軽量化された車体が高い評価を得ています。
そのほかホンダの「XRシリーズ」、スズキの「RMX」シリーズといった定番のモデルも根強い人気を得ています。
日常で乗る機会があるバイクではありませんが、非日常の世界でバイクの喜びを味わわせてくれる、エンデューロとはそんな魅力を備えたバイクと言えるでしょう。